遺影写真に笑顔はNG？適した表情やポーズも紹介

はじめに

遺族が故人を偲ぶ拠り所となるもののひとつが遺影です。おもに葬儀の祭壇や仏壇に飾られる写真で、生前の故人の姿を写す大切なものでもあります。本人との面識が少ない孫やひ孫は遺影の印象が永く残ります。
そんな遺影写真は、近年の終活ブームから生前にとっておきの1枚を遺影として残しておく人も増えています。
しかしいざ遺影を選ぶ必要に迫られた際、また遺影の撮影にいどむ際、どんな表情が適しているのか悩んでしまう方は多いでしょう。出来れば無表情よりも故人らしさ溢れる遺影で人生の最後を飾りたいですよね。
ここでは、遺影写真におすすめの表情をご紹介します。遺影選びや遺影撮影で迷った時、ぜひ参考にしてみて下さい。

遺影写真は生前に撮影して事前に用意しておくのがおすすめ！

人生の終わりへ向けて、穏やかに最後を迎えるため様々な準備をする「終活」。その一環として生前に遺影を撮影する人が増えています。生前に遺影を撮影しておくことのメリットとしては遺された家族が遺影選びに困らないこと、自分にとってベストな写真を遺影として残してもらえる等が挙げられます。
近年は「遺影写真撮影」というサービスが人気を博しています。普段着やおしゃれ着での撮影はもちろん、着物をレンタルすれば昔ながらの遺影を撮影することも可能です。プロの撮影なので理想以上に美しく、また気になる傷やシワを指定して修正もしてくれます。納得のできる最高の1枚で人生の最後を飾ることが出来る安心感は何ものにも変え難いでしょう。
プロに頼まず、自分で生前に遺影を撮る人もいます。結婚記念日や誕生日といった節目の日に記念写真を兼ねて撮影する方が多いようです。ただし写真の画素数や人物の顔が小さいと遺影として使えない場合もありますので、なるべく高画質で人物の顔を大きめに撮るよう気をつけましょう。

遺影写真に適した表情とは？

古くは正面を向いてかしこまった表情しているものが遺影に適しているとされていました。これは遺影とは厳かなものでなければならないというかつての風習が由来です。
しかし現代では厳かさよりも穏やかな印象を遺影に求める人が増え、様々な表情が遺影に選ばれるようになりました。特に柔らかで明るい印象を与える笑顔の写真が人気です。
しかし遺影の表情に決まりはありません。大切なのは遺族が故人の人柄を思い浮かべられるような、故人らしい表情を選ぶことです。
ここでは遺影に適した主な表情をご紹介します。合わせて、どんな印象を与えるかもご説明させていただきます。

満面の笑み

明るく朗らかな印象の故人なら、満面の笑みを遺影の表情として選ぶのがおすすめです。顔全体で作る笑顔は幸せなひとときを過ごした証。家族や大切な人たちと過ごしている写真なら自然とこのような笑顔を見せている方は多いでしょう。
日常の自然な姿を思わせる柔らかであたたかい表情は遺影として人気の高い表情です。普段は表情が固く眉根を寄せた印象が多い故人でも、このような満面の笑顔の写真を遺影に選ぶことによって葬儀に出席した方々に柔和な一面を知っていただけることもできます。

歯を見せた笑顔

無邪気で元気な印象のある故人なら、歯を見せて笑っている表情がおすすめです。見ているこちらが元気になれるような快活さはあり、遺影を見るたびに遺族を元気付けてくれるでしょう。
また、歯の見える綺麗な笑顔は見る人に若々しい印象を与えます。晩年は病気などで歯が抜けてしまった故人でも、歯の揃っていた頃の明るい笑顔を遺影に選ぶことにより元気でパワフルな印象を残すことができます。

口を閉じて微笑む

穏やかで上品な印象のある故人なら、口を閉じて柔らかく微笑んでいる表情がおすすめ。控えめで恥ずかしがり屋だった故人でも、口元や目元がにこりと微笑んでいる優しい表情は明るい印象を与えます。
元気な印象の強い故人でも、ふとした瞬間に見せた品のある美しい微笑みを遺影に選ぶことによって春の陽だまりのような印象を残すことができるでしょう。
また、業者によっては真顔の写真を口を閉じて微笑んでいるような写真に加工してくれるサービスもあります。遺影に笑顔を選びたいのにどうしても笑顔の写真が見つからない時はぜひこういったサービスを検討してみてください。

キリッと決めた真顔

ちょっと気難しくて真面目な印象の故人なら、キリリとした真顔を選ぶのがおすすめ。少し頑固で厳格な方だったならば口を真一文字に結んだ遺影がより生前の印象を鮮やかに残してくれるでしょう。
家庭では優しい笑顔が印象的だった故人でもたくさんの人から慕われ先導する立場の方だったならば、葬儀に飾る遺影に知性を感じる真顔を選べば故人の威厳を損ないません。
また、昔ながらの慣習を重視する故人ならば遺影も昔ながらの真顔で正面を向いたものを作ってあげれば供養にも繋がります。

遺影写真は真正面を向いている顔じゃないと使えない？

かつては真正面を向いた写真が遺影の主流でした。昔は写真といえば証明写真や記念写真などで正面を向いた写真が多く、そのような写真が多く遺影に利用されていたことも理由のひとつでしょう。
しかし近年はカメラ性能の向上により個人で簡単に日常の写真を撮れるため、生前の自然な姿をおさめた写真を遺影に利用することが増えています。
帽子やマスク、手のひらなどで顔が隠れていない限り、斜めを向いた写真でも横を向いた写真でも遺影として利用できます。目安は目と眉毛が両方見えていることです。
セオリーにとらわれず、故人らしさのあふれる1枚をぜひ遺影として残しましょう。

親族が選ぶ遺影写真にふさわしい故人の表情とは？

葬儀の準備で最も悩ましいのが遺影の選定。慌ただしい葬儀準備の中でも後悔しない1枚を選びたいですよね。大切な遺影だからこそ業者や第三者任せにせず、ぜひ親族で遺影にふさわしい写真を選びましょう。

ここでは故人も親族も満足できる、遺影写真にふさわしい故人の表情の選び方をご紹介します。ぜひ参考にしながら、最後の思い出に残るより良い表情を選んでください。

遺影にふさわしい表情1：生前の面影を感じられる自然体な顔

親族の皆様にとって遺影は故人の面影を偲ぶ大切な1枚。あまり難しく考えず、生前の印象を大切にして選びましょう。穏やかな印象の方なら優しい顔を、真面目で誠実な方なら口元を一文字に結んだキリッとした顔を。少し意地っ張りで頑固な方ならムッとしている顔でも大丈夫です。
記念写真よりもふとした日常で撮った自然な写真の方が良い表情をしているときもあります。最近はスマホの写真からも遺影を作ることが可能なので、何気ない瞬間を切り取った写真もチェックしておくのがおすすめです。
故人との思い出を想起させるありのままの姿ならきっといつまでも生前の印象が親族の心に残り続けてゆくことでしょう。

遺影にふさわしい表情2：故人が好みそうな顔

選ぶなら故人にも喜ばれる遺影を選びたいですよね。そんな時は、節目のイベントや故人のお気に入りを思い浮かべながら選びましょう。
盆や正月に親族一同や米寿のお祝い、ひ孫の誕生祝いなど故人にとって大切な思い出の写真ならそこに素敵な表情があるはず。お気に入りの服や好きな色を身につけた写真を選ぶのも良いでしょう。
故人が気に入っていた写真があるのならばそれを使うのもおすすめです。ただし故人の姿が小さかったり、ピントが合っていない写真だと遺影として使うことが難しくなるのでそういった場合は事前に相談しましょう。

遺影にふさわしい表情3：そばにいた親族が良いと思うお顔

パートナーやご家族など、生前の故人に1番近い遺族が「これだ」と思うお顔を選ぶのもおすすめです。
故人に最も近く寄り添っていた親族は、葬儀が終わった後も故人の遺影と過ごす時間が多くなります。より良い写真を、遺影にふさわしい写真をとあまり悩み過ぎず、直感で良いと感じた写真を自信を持って選んで良いのです。
眺めるたびに故人を感じられる遺影なら、遺族も故人も心穏やかに過ごせることでしょう。

遺影写真の表情は加工で笑顔にすることもできる

笑顔の遺影を作ってあげたいけれど、写真が苦手などで故人が笑顔で写っている写真が無く困ってしまっていませんか？そんなときはぜひ遺影写真加工サービスを利用しましょう。

最近の遺影写真加工サービスはとても精度が高く、厳しい表情や無表情の写真でも自然な印象の笑顔に加工してくれます。他にも肌の色あいや染み、シワなどの修正加工や背景の色や着ているものも自由に加工して変更できます。
イメージに合う写真が見つからなくても諦めずに、遺影に関するサービスをぜひ利用してください。

遺影写真の表情まとめ

いかがでしたでしょうか。遺影写真の表情についてご紹介させていただきました。
遺影は正面を向いて真顔でなければいけない、と思っていた方は遺影に対するイメージが変わったと思います。
遺影は遺族が故人の人柄を思い起こし偲ぶもの。亡くなったあと親族に選んでもらうのも良いですが、イメージ通りの遺影を残したいなら遺影写真がおすすめです。自分らしい表情に自信が無ければ、家族や友人などから客観的なアドバイスを受けるのも良いでしょう。
ぜひ故人も親族も満足できる遺影で人生の最期を穏やかに飾りましょう。