遺影写真がない場合はどうする?ない場合の対処法を解説
はじめに
最近は「終活」という言葉が一般的になり、生前に自分の遺影に使用するための写真を撮影する人も増えてきました。
しかし写真を準備する前に急な不幸に見舞われてしまった、長い闘病生活で写真を撮る機会があまりなかった、などの理由で遺影用の写真がない場合も多くあります。
遺影写真は、必ずしもなくてはならないものではありません。
ですが故人を偲ぶ際に遺影写真があれば、故人の生前の姿をよりはっきりと思い起こすことができます。
今回は遺影用の写真がない場合にどうすればいいのか、対処法について解説します。
生前に遺影写真を用意していなかった場合の対処法
生前に遺影写真の用意がなく、遺影にふさわしい写真が見つからない場合の対処法は主に3つあります。
- (1) 過去の写真を使って合成写真を作る
- (2) 証明写真を使って合成写真を作る
- (3) 人から譲ってもらった写真を使って合成写真を作る
これから、この3つの方法について詳しく説明します。
遺影写真がない場合の対処法1:過去の写真を使って合成写真を作る
まず1つ目の対処法は、過去の写真を使って合成写真を作る、という方法です。
遺影写真というと、亡くなられた年齢に近い時期に撮られた写真を使わなくては、と思われる方が多いのではないでしょうか。
もちろん直近の写真に故人の人柄が分かるような良いものがあればそれでいいのですが、もし近い時期に撮られた写真がなければ過去の写真から合成して遺影写真を作ることができます。
昔のスナップ写真から、個人だけを切り抜いて遺影写真にすることも可能です。
ただし個人が小さく写っているものだとかなり大きく引き伸ばさなくてはならないため、遺影写真が不鮮明でぼんやりした仕上がりになってしまいます。
できるだけ大きくはっきり個人が写っている写真を選ぶようにしましょう。
団体旅行やイベントなどで撮った集合写真からも、遺影写真は作ることができます。
集合写真はプロのカメラマンが撮っている場合も多いため、引き伸ばしても写りがぼんやりすることなく遺影写真にすることができるでしょう。
そうではない普段のスナップ写真や集合写真から故人を切り抜いて遺影写真にする場合には、加工や編集で遺影写真らしく合成をすることが可能です。
背景はもちろん、服装や髪型、若々しくしたり老け顔にしたり、ということもできますので、葬儀社に相談するといいでしょう。
遺影写真がない場合の対処法2:証明写真を使って合成写真を作る
2つ目の対処法は、証明写真から合成写真を作る、という方法です。
運転免許証やパスポートなどに使用されている写真は、大体が1人ではっきりと写っているものです。
顔がはっきり写っていて目線も正面なので、遺影写真に使用しても不自然になりません。
最近は運転免許証を返納する人も増えていますが、免許証を返納すると交付される運転経歴証明書やマイナンバーカードなどにも証明写真が使われています。
背景色や服装は合成で変更できますので、故人の人柄に合わせたものにするといいでしょう。
遺影写真がない場合の対処法3:人から譲ってもらった写真を使って合成写真を作る
3つ目の対処法は、人から譲ってもらった写真を使って合成写真を作る、という方法です。
家では恥ずかしさや照れから写真を撮りたがらなかった人も、友人との外出や旅行では写真を撮っていたかもしれません。
また町内会や介護サービスの行事などで、写真を撮っている可能性があります。
友人や知り合いのスマホやデジカメのデータの中に故人が写っている写真があったりもしますので、色々な人に声をかけてみましょう。
故人が写っている写真があった場合にはその写真を郵送してもらうのが一番良いですが、急ぎで写真を用意しなければならないときにはSNSやメールで写真のデータを送ってもらえば相手の負担も少なくすみます。
どうしても遺影を用意できない場合はどうする?
ここまでの3つの対処法でも遺影に使える写真が見つからなかったときには、一体どうすればいいのでしょうか?
遺影には「こうしなければならない」という決まりはありません。無理に写真を遺影にする必要もないのです。
ここからは写真以外の遺影、似顔絵と遺人形について説明します。
写真を用意できない場合の対処法1:似顔絵を描いてもらう
どうしても遺影にふさわしい写真が見つからなかったときには、似顔絵や肖像画を遺影にする方法があります。
写真が一般に普及したのは昭和に入ってからのことで、それまでは遺影も似顔絵や肖像画を使うのが一般的でした。
現在でも、遺影用の似顔絵や肖像画を作成してくれるプロの画家が多くいます。
依頼するときには、故人の若い頃の写真や似ている人の写真を用意しましょう。
依頼された画家はその写真を参考に、遺族の要望を聞きながら似顔絵や肖像画を作成してくれます。
背景に故人の好きだった色や物、言葉などを描いてもらうことも可能です。
依頼した画家に、相談してみましょう。
値段はサイズや仕上がりにもよりますが、大体6万円くらいから10万円ほどが相場です。
写真を用意できない場合の対処法2:遺人形を作成してもらう
近頃は人形の遺影、遺人形を作成するケースも増えています。
故人の写真から立体のデータを作成し、3Dプリンターで立体出力するものです。
写真や似顔絵、肖像画は平面ですが、遺人形は立体なので故人の生前の姿をより思い起こしやすくなります。
写真から3Dデータを作成し、3Dプリンター出力してくれる工房がありますので、作成の際にはそういった工房に依頼するといいでしょう。
複数枚の写真を組み合わせてひとつの遺人形を作成できるので、気に入って着ていた服や装飾品を身につけた人形にすればいっそう故人を身近に感じられます。
素材は石膏とプラスティックがあり、プラスティックの方が衝撃に強く壊れにくいです。
大きさは20cmから30cmくらいまでが一般的ですが、それより大きなものを作成できる工房もあります。
値段は素材や大きさによって異なりますが、1体あたり大体15万~30万円ほどが相場です。
遺影写真がない場合の対処法まとめ
今回は、遺影写真がない場合の対処法について解説しました。
最近はスマホやデジカメの普及により、昔より気軽に写真を撮ることができるようになりました。
故人の写真が手元にないと思っていても、よく探せば意外なところからいい写真が出てくるかもしれません。
見つかった写真に不安があっても編集や加工で遺影写真にできる場合がありますので、葬儀社や写真屋に相談してみましょう。
もしどうしても遺影にできるような写真が見つからないときには、似顔絵や遺人形を遺影にする方法もあります。
遺影は必ずなくてはならないものではありませんが、故人の生前の姿をよりはっきりと思い起こし偲ぶためには欠かせない物です。
遺影にふさわしい写真が見つからなかったとき、ぜひこの記事をお役立てください。