遺影写真として似顔絵もあり?遺影がない場合の肖像画について解説
はじめに
遺影にできるような良い写真が見つからなかったとき、どうしたら良いのでしょうか?
葬儀に必ず遺影がなくてはならないということはありません。
しかし遺影がなければ、せっかくの参列者の方々が故人との思い出をはっきり思い出すことがしにくくなってしまいますよね?
そのようなときには、似顔絵や肖像画を遺影にしてみてはいかがでしょうか?
今回は、遺影に使用する似顔絵や肖像画について解説します。遺影にふさわしい写真がないなどとお困りのご家族はぜひ参考にしてください。
遺影写真を似顔絵である肖像画にするのはあり?
結論、遺影にできるような写真がないときには、似顔絵や肖像画を遺影にしてもまったく問題ありません。
確かに故人の生前の姿をしっかり思い浮かべながら別れのときを過ごすためには、可能な限り遺影を写真にしたほうが好ましいです。
ですが、遺影が必ずしも写真でなくてはならないわけではないのです。
ではなぜ遺影が写真以外のものでもOKなのか、その理由を以下より3つ解説します。
遺影が似顔絵でもOKな理由1:そもそも写真でなければならない決まりはない
そもそも遺影に関して「こうでなければならない」という決まりはありません。
遺影をどのようなものにするかは、故人と遺族の意向で決めて良いのです。
もちろん遺影を写真ではなく、似顔絵や肖像画にしても大丈夫です。
写真より似顔絵や肖像画の方が、故人らしさをあらわせることもあるでしょう。
また遺影を肖像画にすることで、参列した人にとってより思い出深い葬儀になる場合もあります。
遺影が似顔絵でもOKな理由2:かつては肖像画が主流だった
実は遺影の始まりは、江戸時代にまでさかのぼります。
歌舞伎役者や有名人が亡くなった際に、追悼としてその人の浮世絵を印刷したのが遺影の原型と言われているのです。
その後日清戦争や日露戦争での戦死者の供養のために写真や肖像画を飾ったことで、遺影が一般に普及することになります。
当時は写真が今ほど一般的なものではなく、肖像画の遺影が主流でした。写真の遺影が主になったのは、実は比較的最近のことなのです。
遺影が似顔絵でもOKな理由3:遺影が飾られていないよりはまし
葬儀において遺影とは、故人の在りし日や思い出を偲ぶためになくてはならないものです。
写真がないという理由で遺影が飾られていない葬儀をするよりは、似顔絵や肖像画を遺影にしたほうが故人を偲ぶのに適しているでしょう。
遺影写真を肖像画にするのはどういう場合?
では遺影を肖像画にするのは、具体的にどのようなときなのでしょうか。
これから、遺影を似顔絵や肖像画にするパターンについて詳しく解説します。
遺影を肖像画にするパターン1:遺影に適した写真がない
近頃は、生前に遺影用の写真を撮る人が増えてきました。
しかし遺影用の写真を撮らないまま、亡くなってしまう人もまだまだ多いのではないでしょうか。
その場合は故人の生前のスナップ写真などから、遺族が遺影に適した写真を選ぶことになります。
遺影にふさわしい良い写真があればいいのですが、ずいぶん昔の若い頃の写真しかないとか、どれもぼやけてしまっていてピントの合った写真がない、などということも少なくありません。
そういったときは無理して写真を遺影にするのではなく、似顔絵や肖像画を使用するといいでしょう。
遺影を肖像画にするパターン2:故人自身が望んだ場合
遺影とは、残された人たちが故人の在りし日を思い出し偲ぶために作成するものです。
故人が「自分の理想に近い姿で残された人たちの心に残りたい」と、遺影に似顔絵や肖像画を使うのを希望するパターンもあります。
そのときには故人の希望通り、遺影を似顔絵や肖像画にするべきです。
また遺影用の似顔絵や肖像画に、故人が生前に残した言葉を入れてもいいでしょう。
故人からの最後のメッセージが入った遺影は、より印象的なものになりますね。
遺影を肖像画にするパターン3:ご家族が望んだ場合
最後はご家族の希望で、遺影に似顔絵や肖像画を使うパターンについてです。
どんな人でも、状況や相手などに応じたさまざまな顔を持っています。
例えば仕事で部下に向ける顔と、家で孫に向ける顔はまったく違うものでしょう。
ご家族の印象に合った故人の写真がなかった場合、似顔絵や肖像画で印象通りの遺影を作成すれば良いのです。
残されたご家族が一番良いと思う遺影にすることが、結果故人のためにもなるでしょう。
遺影として肖像画を用意する際に気になるQ&A
遺影で似顔絵や肖像画がOKなことは理解していただけたと思います。
しかし、遺影の肖像画に関してのルールがあるのかどうか知りたい方もいるでしょう。
そこで3つの遺影肖像画ルールについてQ&A方式で解説していきます。
Q1:似顔絵は鉛筆でしか描いてはならないの?
似顔絵や肖像画は細部までこだわって描ける鉛筆で描くのが一般的ですが、決して鉛筆でなければならないということはありません。
油絵でも良いですし、絵の具を使えば幻想的な肖像画を描くことができます。
またはカラーペンを使ってポップな似顔絵を作成しても良いでしょう。
遺影で大切なことは、故人のイメージに合ったものにすることです。故人の人柄などを思い起こしながら、描く方法を選びましょう。
モノクロでもカラーでもどちらでもOK!
遺影に使用する似顔絵や肖像画は、カラー、モノクロ、どちらでも問題ありません。
モノクロの肖像画を遺影にすれば、厳粛な雰囲気で故人を送り出すことができるでしょう。
逆に雰囲気や見た人の気持ちを下げずに故人を送り出したいのならば、カラーの肖像画を使用するといいですね。
Q2:肖像画の背景は無地だけ?
遺影の背景は、無地でなくても大丈夫です。
故人が好きだった色でグラデーションにしてもいいですし、故人が好きだったものを描いてあげてもいいでしょう。
遺影には「こうしなければならない」という決まりはありません。
故人が喜ぶような、そして残された人たちが故人のことを思い起こしやすくなるような遺影に仕上げましょう。
Q3:遺影として飾る際は印刷してからが良い?
遺影用に似顔絵や肖像画を作成したら、印刷してから飾ると良いでしょう。
遺影は、葬儀が行われている間はずっと祭壇に飾られているものです。
葬儀が終わった後も、そのまま自宅などに飾っておくかもしれません。
原画のまま飾っておくと、滲んだり、色があせて消えてしまったりしてしまいます。
それらを防ぐために、遺影用の似顔絵や肖像画は印刷してから使用しましょう。
遺影写真代わりの肖像画はプロの絵描きに依頼すべき
遺影用に似顔絵や肖像画を作成するのならば、やはりプロの肖像画家に依頼するのがおすすめです。
確かに素人でも、それなりに似顔絵を描ける人はいます。
しかしプロの肖像画家の作品の方が、圧倒的に本人の特徴や雰囲気を表現できますし、これから先の長い日々を共にする遺影としてふさわしいと言えます。
遺影の肖像画の相場は?
遺影用の肖像画を頼もうと思ったときに、予算をどれくらいで組めばいいのか分かりませんよね。
肖像画の相場とは、一体どのくらいなのでしょうか?
一般的な遺影にサイズであるF4号(333mm×242mm)は、60,000円台後半から90,000円ほどで作成してくれるところが多いです。
それより少し大きなF6号(409mm×318mm)だと、80,000円から100,000円ほどになります。
また通常よりさらに細かく緻密に肖像画を仕上げてくれるオプションを設定しているお店もあり、その際の価格は通常価格プラス100,000円ほどです。
遺影の肖像画はどこで依頼できるの?
遺影用の肖像画を作成してくれるお店には、どのようなところがあるのでしょうか?
これから、遺影の肖像画作りにおすすめのお店を2つご紹介します。
【1】肖像画工房
- 住所:〒519-1112 三重県亀山市関町中町523
- 最寄駅:JR関駅より徒歩5分
- 営業日:月・木・金・土・日
- 営業時間:10:00~16:00(要予約)
- ※車で来店の際は関神社駐車場を利用(お店まで徒歩5分)
まず1つめのお店は三重県の『肖像画工房』です。
もともとはネットショップのみでしたが、実店舗がオープンしたことで顔を合わせて直接注文できるようになりました。
サイズの種類が豊富で一番小さい八つ切サイズ(303mm×242mm)は43,000円、大きなA3サイズ(420mm×297mm)は53,000円です。
オプションの額縁は、3種類から好きなものを選ぶことができます。
【2】現代肖像
- 住所:北海道札幌市
- 営業日:ネットショップのみ
- 営業時間:平日9:00~17:00
2つめは北海道にある『現代肖像』です。
肖像画だけではなく、さまざまなスタイルの遺影写真も作成可能です。
肖像画の元になる写真の修正から、肖像画を作成したあとの額装までセット料金になっています。
価格は一般的な遺影のサイズであるF4号(333mm×242mm)が66,000円、一番大きいF10号(530mm×455mm)が120,000円です。
遺影写真の似顔絵のまとめ
遺影は、故人を偲ぶためになくてはならないものです。
故人の「その人らしさ」が感じられる写真がないのであれば、似顔絵や肖像画を遺影にするのもいいのではないでしょうか。
似顔絵や肖像画を遺影にすることで、写真では表現しきれない「その人らしさ」があらわせる場合もあります。
プロの肖像画家にお願いすれば、故人の人柄や遺族の意向などに沿って遺影にふさわしい肖像画を作成してくれるでしょう。
故人の人柄や故人との思い出をはっきり思い起こしながら故人とお別れできますよう、この記事を役立てていただければ幸いです。